子供の自己肯定感を守る、母たちのクエスト

数年ぶりに、家族でバーベキューをしに出かけたときのこと。

子供たちは前日の準備からウキウキワクワクしっぱなし。食材の買い出しには特に気合が入り、「お肉はこれがいい!」とか「ウインナーもやく!」といってどんどん買い込み、こんなに食べれるのかな?と思うほど。

下の娘が生まれる前には、家族でよくバーベキューしにいったものです。おねえちゃんにしてみれば、懐かしい家族行事。下の娘にしてみれば、未体験のワクワクするもの。二人とも思いは違えど、共通の目標に向けて楽しく準備に勤しんでいました。

おでかけ当日。朝の6時から起き出して家じゅうはしゃぎ回る子供たち…体力もつのか?と思うほどです。トラブルが起きる前に出てしまおう!と、予定より早めに出発。

日差しが暑く、気温が上がる予報だったので、冷たい麦茶を二人に渡しておきました。運動して汗をかいてから飲むように注意しましたが、反抗期女子のお姉ちゃんは聞く耳もたず車内でグビグビお茶を飲んでいます。

目的地のアスレチック公園に到着すると、大人がバーベキューの準備をしている間、子供たちは芝生ゲレンデでそりすべりを楽しんでいました。夏場のそりすべりはまた違った楽しさがありそうです。でもそりを抱えて登ってくるのは疲れる様で、思った以上に早く引き上げてきて、一緒に野菜やお肉を焼き始めました。

二人とも食いしん坊なのでもっと騒ぐかなと思っていたけど、火の回りをちょろちょろするのは下の娘だけ。上の娘はちょこんとベンチに座ってお茶を飲んでいます。前日はしゃぎすぎたのかな?とあまり気にとめずに作業に集中する私たち。

最初に焼けたお肉を子供たちの皿にのせて、さあ食べようか!というところで、上の娘が一言

「きもちわるい・・・」

むむ?!よく見たら顔色が真っ白です。普段から色白だけど、唇まで青白く血の気が引いています。

大丈夫?と声をかけたのと同時くらいに、そのまま上の娘が嘔吐!!!

あ、テーブルが汚れる!とか、食材非難できてるかとか、瞬時にいろんなことが頭を駆け巡りましたが、絶対に表に出すまいとその時思いました。

服もテーブルもべったり汚れてしまっているけど、まずお母さんとしては子供の様子から目を離さない!!!背中をさすったり、体調を気遣うのを最優先にすべきだと感じました。

誰より楽しみにしていたバーベキューを自分が台無しにしてしまったという事実に、多分本人が一番傷つき、悲しい気持ちでいることだろうと思ったからです。

嘔吐が落ち着いたことを確認してから、風通しの良いところで休んでもらい、その間に後片付けです。勤めて平静を装い、「大丈夫、たいしたことない」という態度を崩さずにいるのがポイント!汚染範囲を確認して(ノロウイルス感染の可能性もあるため)、汚れ物はまとめて捨て、洗えるものは洗ってきれいになりました。

そして、バーベキューを再開したのです。

正直あまり食欲はなくなっていましたが、「楽しいバーベキュー」のイメージを壊したと思ってほしくなかったので、これまた勤めて楽しく焼いたり食べたりしていました。

不思議なものですが、無理にでも楽しい様子を演じていると、そのうち本当に自然と楽しい気分になってくるし、周りにもその楽しい気分が伝染していくものです。

異常事態に固まって泣き顔だった下の娘も、つられてニコニコ食べ始めました。まだ白い顔をしたお姉ちゃんも「たべたい~」と言って少し食べ、笑顔が戻ってきました。

冷たいお茶の飲みすぎも一因ではあったと思うのですが、その後体調を懸念して早めに帰宅したあと、上の娘は発熱。はやりの胃腸風邪にかかってしまったようです。

2、3日は吐いたり下したりしていたので辛そうでしたが、今は完全回復!

いつものように暴れたり、憎まれ口をたたく日常に戻りました^^;それでもふと今日、

「バーベキュー、楽しかったね。元気なときにまたやりたいな」と言っていました。

よかった。彼女の中で、失敗体験になって封印されなくてよかった。心に残るしこりにならずにすんで、よかった。

家族の大事な場面において、自分のせいで何かがダメになったという認識が生まれるとしたら、それはその場にいた親の対応が批判的だったからではないかと思うんです。

もし彼女が嘔吐した時に、お母さんが「やだ~汚い」とか、「やめてよこんな時に!」みたいな発言をしたとしたら、どうなっていたか。

きっと、自分を責めてしまうでしょう。体調が悪くなるのは予測しにくいことなのに、それができなかった自分を「ダメなやつ」だと認識してしまうかもしれません。

こういう類の小さなことの積み重ねで、人は自己肯定感を低くしていってしまいます。少なくとも私はそうでした。

それでも、娘にはそういう思いをさせずに済んだようです。それが一番よかった。

こういう子供たち自身が気づかないような小さなところで、母たちは己と戦ったりしているんです。

母としては修行中の身であるバーサですが、お母さんクエストをひとつクリアできたようで、少しだけ誇らしい気持ちになった日でした。

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